当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

四国の美術館(2)

 今回は二つの県立美術館を紹介します。

 一つは高知県立美術館で、平成5年にオープンしたほやほやのモダンな美術館です。私共が行った時は、県出身の画家を中心とする常設展の他に「イサム・ノグチと北大路魯山人」という企画展をしていました。

 イサム・ノグチが一時期北鎌倉にある魯山人邸に仮住まいし、共に陶芸行ったという関係もあったし、単一ジャンルには収まり切れないという面にも共通性があり、面白い企画店となったようです。この企画の狙いは、日本文化に内在するモダニズムを紹介し、西洋と日本、伝統と近代性について問題を投げかけることだそうです。

 私共は、広大なスペースをさいたこの企画展に、東京でもこれだけの展覧会は滅多に見られないなと感心しました。

 もう一つは、愛媛県立美術館で、ここでは近代日本画の巨匠福田平八郎の展示をしていました。画伯の代表的な作品「桃」、「鴛鴦」をはじめとして30点あまりを展示しており、住民、観光客でにぎわっていました。

 両美術館に共通していることは、展示内容はもとより、その建物及びそれを囲む庭が素晴らしいことです。おそらく、アートには感心が薄い人も、建物と庭を見に一度は行ってみたいと思うでしょう。

 高知の美術館は、巨大な倉を思わせるデザインで、建物の内外でふんだんに水を使って修景しています。

 愛媛の美術館は、松山藩主の子孫の別邸で萬翠荘と呼ばれていたものを改造したものです。

 素晴らしいアートは、素晴らしい環境の中で鑑賞することによって、一層ひき立つのだと思いました。