当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

四国の美術館(1)

 五月の連休に四国一周の気ままなドライブを楽しんできました。お遍路さんでしられた寺巡り、山や海岸のハイキング、山海の珍味の食べ歩きなどいわゆる物見遊山が目的の旅行でしたが、気になる美術館のポスターが目に入った時には、できるだけ立寄って見ました。

 皆さんには香川県の小さな都市である丸亀市を御存知ですか。ここにはアートファンにとって見逃せない個性的な三つの美術館が集中しているのです。

 一つ目は市立の猪熊弦一郎現代美術館で、駅前の貴重な場所にもかかわらず、ゆったりとしておしゃれな近代美術館です。郷土出身の抽象画家猪熊画伯の寄贈作品を常設とし、その他に意欲的な企画展を行っています。私供が行った時は猪熊氏と親交のあった小磯良平と猪熊弦一郎との二人展でした。両者は具象と抽象という全く異なるジャンルを歩みながら、お互いにライバルとして刺激し合い、共に最高のレベルを極めたことは素晴らしいことだと思います。

 二つ目は民間の丸亀平井美術館で、スペインの若手作家の現代アートを集中的に紹介しています。以上二つの美術館は、東京の先を行っている感じの内容と雰囲気で本当に驚きました。

 三つ目も民間の美術館で、庭園で有名な中津万象園の中にあって、コロー、クールベ、ミレー等を中心とするバルビゾン派の絵画を展示しています。まさによだれの出るような素晴らしい作品が、よくもこれだけというほど収集展示されていました。

 田舎の町で巡り会った夢のような本当の話です。