当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

フランス美術館巡り(7)マチス美術館

 昔から高級リゾート地として有名なニースにやってきました。私達もニースの海岸通りを描いた素晴らしい絵を数年前に購入し、その場所を実際に見てみたいと思っていました。しかし現在は海岸で日光浴をする人々でごったがえす大衆リゾート地に変わっていて、ちょっとがっかりしました。

 そのかわり、いくつかの素晴らしい美術館がありました。その一つがマチス美術館です。

 マチスは晩年ニースのスイミエにアトリエを持ち、ここに落ち着いて制作に励みました。彼の家は現在ミュージアムになっており、油絵、デッサン、リトグラフのほか、絵の具箱など彼のゆかりの品々も展示してありました。ピカソとともに現代美術の巨匠といわれるマチスですが、これまでは断片的にしかその作品にお目にかかることはありませんでしたので、良い機会と思って訪れたのですが、まさに圧巻でした。

 ヴァンスにはマチスがデザインした唯一の礼拝堂があり、美術館のいくつかの作品は、そのための下絵であると聞き、車で1時間位内陸にはいった田舎街ヴァンスへ行ってみました。

 小さなチャペルに入ると選びぬかれた青、緑、黄、の3色で構成されたステンドグラス、そこから差し込む陽光を受ける聖女の黒一色の素描、単純ななかにも厳粛な気が漂っていました。