当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

フランス美術館巡り(6)クロ・リュセ

 クロ・リュセとは、レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年住んだ城館で、今はミュージアムになっています。
 パリから西へ約200kmにあるトウールからオルレアンにかけてのロワール川沿岸には、中小規模のお城が沢山あり、お城巡りのつもりで出掛けたら、途中にクロ・リュセがありました。以下はタクシーの運転手に聞いた話です。

 フランソワ㈵世が領土的野心をもってイタリアに攻め込んだけれど、何の成果も上がらなかったばかりか、イタリアルネッサンスの絢爛たる興隆ぶりに圧倒され、イタリアのアーティストを多数スカウトして帰国しました。

多くはイタリアでは用済みのアーティストでしたが、中に1人超大物が含まれていました。フランスに来たダ・ヴィンチはこの城館を与えられ、制作に当りましたが、その間にノートに多くの設計図を走り書きしました。

 このミュージアムの売り物は、その設計図にもとずいてIBMがつくった模型です。船や戦車はヘリコプターや土木機械などが展示されています。当時としてはまさに画期的な発明だったでしょうが、それが評価され、実用化されることはありませんでした。

 まさに真の天才ダ・ヴィンチがここで制作し、フランスのルネサンスに火をつけたのだと思うと感慨もひとしおでした。