当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

フランス美術館巡り(4)オランジェリー美術館

 家内が5年前にパリに行った時、一番感動したのがオランジェリー美術館のモネの絵だったというので、家内に案内されて行って見ました。
 オランジェリーはルーブルの隣にある中規模の美術館です。セザンヌやルノアールなど近代美術を中心とする作品が展示してある2階もそれなりに見ごたえがあるけれど、それだけならここに御紹介するほどのことではありません。

 目当のモネの絵は地階にありました。大小2つの楕円形の展示室はモネの水蓮の連作を展示するためにデザインされたもので、モネの絵は壁画のように壁一面に連続的にはりつめられていました。

 部屋の真中にある椅子に座ると、水蓮の咲く池とその周辺の草木をパノラマのように見ることができます。日の光によって変わる色彩の変化を、等身大の絵の中で見事に描き切っています。その深みのある微妙な色の混合が織りなす幻想的な画面に、しばし見とれていました。

 モネの絵は日本でも何回か見ていたのですが、多くの絵の中の数点という状況ではあまり印象に残らず、私の好きな画家には入っていなかったのですが、オランジェリーの大作を見てすっかりファンになってしまいました。