当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

フランス美術館巡り(3)バルビゾン

 ミレーが描いた田園風景を実際に見てみたいと思い、フォンテーヌブローの森に隣接するバルビゾンに行ってみました。

 パリから車で1時間足らずの所ですが、そこには都会の喧騒とは縁のない19世紀の田園風景がそのまま延々と広がっていました。

 ミレー等バルビゾン派の画家達は、パリのアトリエに閉じこもってアカデミックな絵ばかり画いている御用画家たちとキッパリ縁を切り、農村に住み、農民と生活を共にしながら働く彼等の姿を描きました。

 ミレーは日本人好みの画家です。それは、「晩鐘」や「落穂拾い」が昔の教科書に載っていたことと関係があるのかも知れません。私達もミレーのファンで、パリのオルセー美術館で上の2点の他にも沢山のミレー、ルソー、ディアスなどのバルビゾン派の画家達の絵を鑑賞して、バルビゾン行きを思い立ちました。

 ミレーのアトリエの隣が古い小さなホテルで、そのカフェは当時画家達のサロンとして使われていました。なんと昭和天皇が皇后(現皇太后)と若い頃ここを訪問していて、歓迎を受けている写真まで残っているではありませんか。 私達は昭和天皇が座ったといわれるソファにうずくまって、天皇もミレーのファンだったに違いないと想像しました。