当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

イギリス美術館の旅(1) 

 大分掲載が遅れましたが去年の夏、ダブリン、エディンバラと回って幾つかの美術館を観て歩きました。それぞれアイルランド、スコットランドの作家を中心に西欧の巨匠の作品も含めてかなり充実してはいましたが、正直に言ってあまりインパクトはありませんでした。

 ロンドンでは「なんと言っても大英博物館だ」と行ってみると、すごい人ごみでしたがそれに十分見合う展示内容でした。たとえばアテネのパルテノン神殿の彫刻郡などは、パルテノン神殿の隣にある現地の博物館よりはるかに充実していたのには驚きました。その他エジプト、インド等の彫像、壁面レリーフ等の膨大な展示はまさに圧倒されんばかりでした。「日の没することなし」とまで言われたかつての大英帝国のパワーを、これでもか、これでもかと見せつけられた感じで、私どもは心身ともに疲れ果てました。

 ところで今回は、私どもが応援している作家をロンドンのギャラリーに売り込むのも一つの目的でしたので、リックに画集や図録やArt Friend等を詰め込んで画廊巡りをしました。古典的な絵を扱っている画廊が多いのですが、現代アートの画廊が集まっている通りもあり、多くの画廊は親切に対応してくれました。関心を示してくれた画廊も幾つかあったのですが、結論的に言うと、イギリスのアートファンは保守的で、名前の知られていない作家の作品は殆ど買わないので、まずニューヨークでポピュラーになることが先決だと言うことでした。百万円前後の絵が結構売れていましたが、それらは主に有名なアメリカの作家の版画でした。

 ベトナムの作家の展覧会をやっているかなり大きな画廊があったので、こういうところならと期待して入ってみたらそこは貸し画廊で、なんと銀座なみの料金(80万円)でした。