当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

メキシコの美術(1)

 メキシコについては、昔、マーロン・ブランド主演の「革命児サパタ」という映画を見たことがある程度で、私自身あまり関心がありませんでした。今回の旅行もマヤやアスティカの遺跡を見たり、カンクンで泳いだりといういわゆる観光が目的でした。

 首都メキシコシティには多くのミュージアムがあり、また屋外にも大きなオブジェが沢山あって、なかなかアートに関心の高い国民であることが分りました。

 メキシコのあーとを一言で表現すると、壁画やオブジェの巨大さ、戦争や革命を題材とした協力なエネルギーと残酷性、原色を多用したややどぎつい表現ということでしょう。

 メキシコのアートを鑑賞する時に、メキシコの歴史的背景を理解していないと、何と血なまぐさい人種なのだろうと思ってしまいます。

 メキシコの原住民は私達と同じくモンゴロイドで、16世紀にスペインに征服されるまで、独自の高い文化を築いてきました。スペインの植民地時代の300年を通じて、両文化は融合し、地元の宗教を取り入れたキリスト教が95%の人々に信仰されています。混血も進んで、純粋の原住民は非常に少なくなっています。

 19世紀の始めにスペインとの独立戦争に勝って独立したものの、その後アメリカとの戦争に敗れて、現在のテキサス、カリフォルニア、ニューメキシコなどを失い、国土は3分の1以下になってしまいました。

 20世紀に入っては、マデーロ、サパタなどの農民開放のための革命で国内は混乱し、やっと政治の安定をみたのはここ数十年のことです。(次号に続く)