当サロンオーナー、田中義明によるエッセイ

フランス美術館巡り(5)ルーアン市立美術館

 オランジェリーで水蓮の超大作をみて、すっかりモネに魅せられた私達は、パリから北に250km、ノルマンディー地方の中心都市ルーアンにやってきました。

 モネはルーアンのノートル・ダム寺院の正面をまず同じ構図で何点も描いており、それが市立美術館で特別展示されていると聞いたからです。

 まずモネが愛したルーアンの町を散歩しました。町の中心にある広場では、魔女裁判で魔女とされたジャンヌ・ダルクが火あぶりになり、19年の短い生涯を閉じたことを知りました。ルーアンの旧市街は、木の柱で外壁を枠どった独自のデザインの古い家が沢山残っていて、1階の商店やカフェを見なければまるで中世へタイムスリップしたかのようです。

 さて、モネの描いたノートル・ダム寺院の前に来ました。前面の広場は小さく、高角度で見上げなければ、大寺院の塔までは見えません。モネはさぞ首が疲れただろうなどと思いながら美術館に入りました。

 そこにあった寺院の連作は、私達が今見てきた寺院と形は同じでも印象はまるで違うものでした。明け方や夕暮れの寺院はこういう感じなのかなと思いながらも、時間による変化をモネだからこそ上手に表現できたに違いないと感じました。